海賊艇K代表/ 森美来こと野本耕作です。
「都市通信」を制作し、
私が皆様の前から姿を眩ましてから、
40年近い歳月が経ってしまいました。
当時、御購入手続きをされていながら
商品が未届きの皆様にまず心よりお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
そして当時御迷惑をお掛けした関係者の皆様、
直接お会いして謝罪をする事は叶いましたが
改めて収録バンドメンバーの皆様に、
インターネット上ではありますが、
再度深くお詫びさせて頂きたく、
ここに経緯をつまびらかにするとともに
謝罪させて頂ければと考えております。
私も昨年還暦を迎えました。
一緒に活動した友人たちの中には、
残念ながら既にこの世を離れた方々もおります。
私自身の犯した過ちは、
決して取り戻す事の出来ないものと痛感しております。
■経緯について
アルバム「都市通信」を制作してすぐさまのこと、
1980年6月に東京都台東区の印判店である家業が手形の不渡りを出し、
債権者からの毎日の催促の渦中、通信販売分として届いていた
代金分の現金書留封筒、現在手元にある資料から鑑みて
およそ30通分(1900円×送料450=円×30通分)7万500円を
家業の借金返済分として流用、着服してしまいました。
そんな末期的な状況の中、二ヶ月ほどで家業は倒産し、
当時の取り立ては過酷で、店舗が自宅でもあった為、
夜逃げという手段を取らざるおえなくなりました。
一家は直ちに離散しバラバラになりました。
弟は高校の同級生宅へ、私は友人宅を転々とし
最終的に新聞販売店に住み込みました。
翌春に新高円寺に下宿を見つけ、
海賊艇Kも東中野のリハーサルスタジオに
住所を置かせて頂くなど、
関係者からの御好意、サポートを得ましたが、
重くのしかかる重圧と想定外の毎日に
業務を続けることが叶いませんでした。
大阪に身を寄せた両親も程なくして帰京する事なく、
順にこの世を離れました。
弟には一方的に連絡はしておりますが、
現在まで返信の無い状況です。
その後、私は非正規の工場勤務をしながら
相当期間で残った借金返済をしましたが、
「都市通信」に於いては手つかずのまま、
有耶無耶にしてしまいました。
また、同様にオムニバスアルバムとして
発売を予定していました
「ロッカー第三世代」に参加了承を
得た各バンドからも
一律5万円ずつの出資金を預かっておりましたが
これについても一家離散の際に資金とし、
私が姿をくらました為に、
同年5月に六本木スタジオ・マグネットで
ライブ録音をしたものの
発売する事が不可能になりました。
(マスターテープの行方は調査中ですが現在、所在不明です)
この四十年近くの間、自身の生活に埋没することによって、
自分の成すべき最優先事項から逃げておりました。
しかしながらどんな時も、海賊艇Kに関わる事案は、
いつも私自身の心の底に在りました。
アルバム「都市通信」は当時の仲間、
皆で作ったものではありますが
代金の着服や未届きに関する一切の顛末は、
私自身が個人の状況において
しでかした事であり、
私自身の不始末と収録バンドメンバー
および作品は別個の物だと御理解下さい。
本作品は各バンドの初期音源を
記録した充実した作品であると考えます。
そのような貴重な作品を、
私自身の最悪な行動によって
実質的に聴く環境を阻害し続けてきた事は、
作品への背信に他ならなかったと改めて痛感している現状です。
企画段階以降、進展させる事の無かった
「ロッカー第三世代」についても同様です。
■都市通信
1980年発売当時のプレス枚数は300枚。
原盤製作費用は参加バンドである、
螺旋メンバーと私、野本で分担し捻出しました。
判明しているものとしてはサンプル盤20枚、
出荷およそ150枚という所となります。
・都市通信 流通枚数
総プレス枚数300枚
① サンプル
バンドメンバー各1枚 14枚 + ローランド他ミックスダウンスタジオ、
雑誌社など6枚 = およそ20枚
② 発売~家業倒産時(初期店頭流通)
12店×5 = およ60枚
ディスクユニオン およそ50枚
計 110枚
② ライブ会場手売り
およそ50枚
② テレコムスタジオ連絡先時店頭流通
およそ50枚
✳︎確認とれないものもあり微妙な誤差はあるかと思います。
・着服金まとめ
●都市通信 申込者現金書留封筒、
およそ30通分(1900円+送料450=2350円×30通分)7万500円
●都市通信 店頭流通収益
(定価七掛、除く吉祥寺ジョージア未収金) およそ20万6150円
●都市通信ライブ会場手売り収益
(1900円×50枚 ) およそ9万5千円
●ロッカー第3世代 バンドからの制作出資金
5万円×7バンド=35万円
合計72万1650円
■都市通信再発に向けて
私自身、いつ迄この世に居られるかも
分からない人生の時期となりましたが、
昨年、秋口に同じ地域に在住の「都市通信」を愛聴されていた
音楽業界にいらした方と知己を得る機会を得ました。
その方に、ここらでやるべきではないかと問われ、
健康も充分とは言えず、予算にもこと欠く身ですが、
時すでに遅しとしてもけじめをつけるべく、
発起した次第です。
幸いにも、その方との出会いから多くの方々より
無償の協力を得ることができ、
参加4バンドの当時メンバー/代表者、親族の方を探し出し、
実際にお会いして謝罪の機会を得て、
再発売の了承を頂く事が出来ました。
時間はかかりましたが、
何とか資金を用意し再発出来る所まで漕ぎ着けた次第です。
私が今後責任を果たす上では、道義上だけでなく
法的にも責任を果たす必要があると考えます。
弁護士にも現状を相談致しました所、民事上時効となっており、
法的な責任は問えないとの事でしたが、過失の責任を鑑み、
現在可能な弁済をする事が好ましいという回答を頂きました。
当初から考えていた通り、
私が現在、出来うる限りの可能な弁済としましては、
再発売に関しての制作費、諸経費は私が捻出し、
未届きの皆様に謝罪した上で無償でお渡しし、
残った売り上げは参加バンドに
全てをお返しするという事。
これが今の私にできる最大限であります。
盗っ人猛々しいとの御指摘を受ければ
返す言葉もございませんが、
御理解して頂けるように
誠心誠意対応させて頂く所存です。
当時御迷惑をお掛けした関係者の皆様、
購入者の皆様方には
改めて深謝させて頂きます。
本当に申し訳ございませんでした。
■都市通信 再発詳細と未届きの購入者様へのお渡しについて
現在、マスター制作が終わりデザインや流通との契約の
話し合いの最中です。発売は年を越し来年初頭となります。
CD盤として再発売させて頂く事を、ここにお知らせ致します。
今回の再発においてのプレス枚数は約700枚の予定です。
定価2500円(税抜)で発売させて頂きます。
発売時付属の歌詞/アートブックと共に、
新たな解説書として、エレクトレコードMr.エレクト氏による「都市通信」覚書、
当時制作に携わって頂いた野々村文宏氏の回想録、
当時のインディシーンに於いて本盤を購入もされ、
海賊艇Kの被害に遭われた
当事者でもある「ハードスタッフ」
小西昌幸氏による海賊艇Kに関する一文、
現役ミュージシャン代表として
本盤をDOLLから出ていたディスコグラフィー本でも
取り上げておられた
原爆オナニーズTAYLOW氏に、
新たなアルバム評を書き下ろして頂き、
別途付属する所存です。
つきましては、未届きの方への無償でのお渡し受付は
発売日確定しましたら開始させて頂きます。
受け取り方法などは発売日確定まで暫しお待ち下さい。
発送は発売日から作業開始させて頂きます。
大変恐縮ですが、お渡し受付期間は
後日発表の店舗発売日より1年間とさせて頂きたいと考えます。
期間を区切らせて頂くのは誠に恐縮ですが、
対応についてはしっかりやらせて頂く所存です。
店舗、未届き対応含めプレス枚数がなくなり次第、
終了させて頂きます。
御理解頂ければ有り難く存じます。
通常の販売は後日発表する取り扱い店舗で行います。
再プレス、通販の予定はございません。
■ロッカー第3世代 、NOIZ/天皇 他
また「ロッカー第三世代」に関しましては、
「都市通信」再発売後の取り掛かりとなり、
こちらについても大変恐縮ではありますが、
現在、各バンドの皆様に連絡をとり謝罪をしている最中です。
マスターの所在も勿論ですが新たにリリースするのか、
どのような形を取っていくのかは
バンド側の判断も有りますので、
誠心誠意お話させて頂いている次第です。
加えて、NOISE「天皇」の海賊艇K、
委託販売における会計に関しましても
工藤冬里、礼子様にも確認し、返信を頂きましたが
現在更に詳しく調査中につき誠意ある対応を順次して参ります。
どちらも今後の展開につきましては決定次第、
こちらのページでご報告させて頂きます。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
*今回、美れいメンバー実方ひとみ様との御連絡がとれておりません。
御本人、または消息を知ってらっしゃる方がいらっしゃいましたら
御連絡のほどよろしくお願い申し上げます。
およそ40年間の長きにわたり、姿をくらまし
急に皆様の前に出てきて謝罪をさせて頂きましたが、
私のしでかした不始末で多大なるご迷惑をお掛けした
皆様方からの御批判、お問い合わせなどございましたら
同じく下記まで御連絡お願い申し上げます。
kaizokuteik@gmail.com
野本耕作
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